2023-06-28

旭川をぶ~らぶら おさんぽ旅

 6月25日(日)、天気がいいので旭川市の買物公園界隈をぶ~らぶら、おさんぽ旅に出かけた。買物公園といえば、創業104年のデパート「マルカツ」や70年以上続いた「オモチャのたもちゃん」が閉店したりと何かと寂しい話題が多く、旭川駅から旭川常盤ロータリーに向かって伸びる歩行者天国は、駅から離れるにつれて徐々にシャッターが下りた店が多くなっていく、なんとも悲しい光景が目に付く。

 駅から離れるほど人通りがまばらになっていく買物公園だが、直角に交差する7条緑道と呼ばれる通りはこんなにいい雰囲気。ちなみに旭川駅からロータリーに向かって1条、2条と条数が増えていきます。

 近くにはこんな雰囲気のお店もあるのがまた楽しい。お店の名前は「こども冨貴堂」。絵本や児童書を揃える本屋さんだ。

 普段は「買物公園」と呼んでいるが、正式名称は「平和通買物公園」。旭川のメインストリート、交通量が激しかった平和通が1972年、前代未聞の恒久的な歩行者天国として生まれ変わった。折しも、自動車の普及により車社会が急速に進展し、交通事故が多発していた当時としては、画期的な取り組みだったに違いない。僕も幼いころに訪れたことがあって、たくさんの人が歩いていて、いろんなお店がひしめいていた。そのころ、子門真人が歌う「およげ!たいやきくん」が大ヒットしていて、買物公園のレコード屋さんでそのレコードを買ってもらい、ワクワクした気分でバスに乗って留萌に帰ったうれしい記憶が残っている。

 1972年の買物公園オープン当初は象徴的な存在だった「手の噴水」。当時は中心部の4条付近にあったが、今は駅とは反対側、通りのどん詰まりの8条付近に建っている。買物公園の今を端っこからひっそりと見つめているようで、なかなかいい雰囲気だ。

 この日は大道芸フェスティバルが開かれていて、大道芸人によるパフォーマンスがあちらこちらで披露されたり、竹馬やぽっくりの体験コーナーなど子ども向けのイベントもあって、たくさんの家族連れが訪れていた。

 子どもたちが自由にチョークで路上に絵を描くことができるスペースも用意されていて、思い思いのカラフルな絵でパッと明るい空間が広がる。


 ロータリーを過ぎて旭橋まで。車で通ることは何度もあったが、歩きながら眺めるのは初めてだ。銘板に昭和6年(1931年)製作とあるので、実に92年の月日が経過したことになるのだが、重厚さとその形状の美しさはいまだ古びることはなく、いにしえのものというよりは、むしろ斬新さすら感じてしまうのは僕だけではないだろう。春夏秋冬、そのたたずまいは屹然としていて、まさに旭川の象徴と呼ぶにふさわしい存在感だということをあらためて実感する。

 そんな旭橋の途中で、北海道の最高峰旭岳の方向に目をやると、こんな街なかで竿を出している人がいる。残念ながら旭岳は雲にかすんでいるが、ニジマスでも釣れるのかな。釣り人を目にすると、どうしても気になってしまう。釣り好きおじさんのサガなのだ。

 少し離れた公園、リベライン旭川パーク・フラワーランドには大きな池と噴水。この日の最高気温は30℃。なんとも涼しげでいい感じだ。風に乗って飛んでくる水しぶきに「気持ちいい~」「涼しい~」と歓声を上げている中学生の女の子たち。噴水の水しぶきの向こうには、まだ6月だというのに夏っぽい雲がもくもくと浮かんでいる。「あれれ」という間に6ヵ月が過ぎて夏が来てしまう…。いろいろと反省の気持ちが夏の雲と同じようにもくもくとわいてくるけれど、如何ともし難い。ふぅ~、とため息ひとつ。

 常盤公園では、暑さのせいか鳩たちが水の中。時折、体全体を水に浸けて震わせ、水浴びしている。見ていると、入れ代わり立ち代わり水浴びに来ている。すると、少し離れた場所で誰かが餌をまいたのか突然、一斉に飛び立ってしまった。

 帰り道、園路を歩いていると、睡蓮(スイレン)の花が咲いていた。尖った花びらと、そのかっちりとした存在感、それでいてどこかはかなげな美に少し気圧される。ピンクと白の花が水面に咲いていて、午後の斜陽にくっきりと映えている。調べてみると、その花言葉は「清純な心」「清浄」「信頼」なのだそうな。花を見て「きれいだな」と感じたのに、なんだかモヤモヤした気分が残ったのはその花言葉のせいだったのかも…。むむむ、といった感じだ。

 6月ももう終わり。1年の半分がもう過ぎようとしている。あっという間に過ぎてしまう毎日に、なんとなく漠然と焦ってしまう気持ちは隠しようもないけれど、自分にとって大切なものをしっかりと見つめながら毎日を生きていきたいな、な~んてぼんやりと考えた初夏の一日だった。

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