scenes note について

朝日に舞う霧氷

 私たちの日常は二度とない瞬間の連続。その瞬間が1本の線のように連綿と続き1日となり、1週間となり、1月となり、1年となる。写真はそんな瞬間をそっと切り取ったひとつの scene(シーン、場面)。

 親が撮ってくれた自分の写真、家族の写真。記憶にない場面でも、それは確かな時間の記録。
 自分が撮った子どもたちの写真、家族の写真。見返すと、鮮明によみがえるあのころの記憶。

 写真は二度と繰り返されることのない、二度と戻ることはできない、一度きりの場面を切り取った時間の記録。

 すべてに命を吹き込むかのような春の日差しに照らされた新緑。
 静かに波打つ夏の海に沈む深紅の夕日。
 秋の陽光に優しく包まれた落ち葉の道。
 宙を舞うダイヤモンドダストを映し出す鮮烈な冬の朝日。

 被写体と差し込む光が生み出す陰影。すべての要素がうまく重なった一瞬をとらえる。

 scenes note というタイトルには、切り取った大切な場面たちを1冊のノートに綴る、そんな思いを込めました。

(撮影地:北海道上富良野町)