2024-11-02
流星を待つ
太陽が昇る。
光に照らされ、空が、海が、大地が
色と形を取り戻す。
闇の中では見えなかったもの。
太陽が沈む。
光を失い、空が、海が、大地が
色と形を失っていく。
やがて、暗くなり始めた空に
星が瞬き始める。
光の中では見えなかったもの。
本当はそこに、目の前にあるのに、
その時々で見えるもの、見えないものが違ってくる。
光があればすべてが見えるわけではなく
光がないからこそ見えるものもある。
夜の暗闇の中で落とし物を探しても
見つかることはない。
日中の光に満ちた中で星を探しても
見つかることはない。
見えないものは見えないし、
見えるものは見える。
ただ、自分には見えないだけで
間違いなくそこにある。
ただそれだけのこと。
なぜ、僕はこんなにも
見えないものを何とか見ようと
もがき、悩み、彷徨っているのか。
でも、その時が来れば必ず見えてくる。
そんなことに気づかされる。
オリオン座流星群の夜。
流星はまだ姿を見せてはくれない。
でもきっと、地球上のどこかでは
流れているのだろう。
僕に見えないというだけのことだ。
天の川にカシオペア座が浮かんでいる。
空の低いところで、木星がひときわ明るく輝いている。
その近くでは、6つの星の固まり、
プレアデス星団が昴(すばる)の語源のとおり整然と並び、光を湛えている。
雲があれば見るべくもない
夜空の光の競演を見上げ、
ぼんやりとそんなことを考えていた。
目の前を流れる、ひと筋の光を待ち望みながら。
(撮影地:北海道深川市)
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