2024-12-21

鉛色の海と青い空

冬の日本海は刻々と表情を変えていた。
まるで、僕らの日常を映すように。
重く、物悲しいモノトーンの世界。
吹き付ける風にあらがうように、
カモメがひらひらと空を舞っている。

どす黒い雲の空が割れる。
割れた空から光が差す。
青い空。
鉛のような重たい海が光り始める。
光が僕に伸びてくる。

海風は相も変わらず強く冷たい。
僕らに吹く風はなぜこんなにも冷徹なのか。
でも、僕らは知っている。
鉛のように重く、どうしようもない、
暗く、沈んだ光景の向こうには、青い空がある。

空が徐々に閉じて、海は光を失う。
海が白く染まり始めた。
雪が激しく海に降り注いでいる。
やがて、海を見下ろす僕にも、雪が激しく打ちつける。
でも、鉛色の向こうには必ず青空が広がっている。

(撮影地:北海道留萌市)

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