2023-02-13
眠れない夜は
夜中に目が覚める。
暗闇の中、いろんなことが頭をよぎる。
離れて暮らす親のこと、子どもたちのこと、兄弟のこと。
そして、自分のこれから。
なにひとつ、約束された確かなものはない。
1年後に生きている保証もなく、10年後に死んでいる保証もない。
なにもない、ただ果てしなく続く砂漠に放り出されたようだ。
こんな感覚になってしまうのは僕だけなのか。
こんな不安な時間をじっと過ごしているのは、もしかして僕だけなのでは。
この世界で、たったひとり生きているような気分になる。
静まり返った部屋の中、不安で胸がぎゅっとなってしまう。
眠りに戻ることもできずに、ただ、堂々めぐりの不安の中をさまよう。
そうしているうちに、再びまどろみの中へ落ちていく。
夜が白々と明けはじめる。
朝か。カーテン越しに差し込む光に、なんだか救われる。
夜に感じた途方もない不安が、引き潮のようにどこかへ去っていく。
山から昇る朝日が、雲を赤く染め、やがて大地を照らし出す。
真っ白な雪に覆われ、眠っていた大地に息を吹き込むかのように。
夕べ、僕が眠れなかった間にも、太陽はどこかで同じように大地を照らしていたのだろう。
今日はどうやら快晴のようだ。
不安を心の底に押し込めて、僕はすうっと息を吸い込む。
また今日も1日がはじまる。
(写真撮影地:北海道上富良野町)
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