2023-09-13
光の道
海面に反射した光が、太陽から僕へと一直線に伸びている。
となりのひとにも、そのとなりのひとにも、
同じように、それぞれに、一本の光の道が伸びている。
でも、と言ったらいいのか、だから、と言ったらいいのか、
それともどっちもなのか、自分ではよくわかないけれど。
希望の光と言ったらいいのか、安堵の光と言ったらいいのか、
救いの光と言ったらいいのか。
ほかの誰かと同じように、こんな自分にもまだ光の道が伸びている。
この光を見ると、あともうちょっとって思えてくる。
この光を見ると、なんだか頑張ってみようって思えてくる。
この光を見ると、こんなもんじゃないだろって思えてくる。
ズブズブと沈み込んでいくばかりの毎日に。
何もかもを投げ出してしまいたくなる現実に。
もう立ち上がれないと打ちのめされた高い壁に。
太陽から伸び一本の光の道を探して、僕はまた今日も海を見に行く。
(撮影地:北海道函館市)
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