2023-05-01

北アルプス 大日小屋で

 北アルプスの大日小屋は「ランプとギターの宿」だ。夜、食堂ではランプに火が灯り、静かに音楽が流れる。とってもいい雰囲気の山小屋だ。写真は10年ほど前に泊まったときのものだ。

 北海道には本州のような山小屋と呼ばれるものはない。唯一、黒岳の石室では飲み物などの販売を行っているが、食事や寝具の提供はなく、あくまでも避難小屋の位置付けでしかない。初めて行った本州の山小屋「剱澤小屋」に到着したとき、シャワーがあるのには本当に驚いた。夕食にはトンカツが出てきたり、布団もありしかも清潔、背負っていかなくてもお酒も買えちゃう。命の次に大切な、飲み水も手に入る。避難小屋があるとしても、定員オーバーになった場合に備えて縦走にはテントが必須、数日間分の飲み水も時期によっては背負わなければならない北海道とは全く違う。でも、どっちもいい! どっちもそれぞれの醍醐味がある。それが山なんだよなぁ、なんて思ってしまう。

 大日小屋に泊まった日の夜、外に出てみると、富山市の方角に雷が激しく光っていて、幾筋もの落雷の軌跡が走っていた。立山から剱岳、奥大日岳への縦走だったので、三脚は持ち合わせていない。仕方ないので持っていたNikon F3をテーブルに置いて撮影した。ヤマ勘の露光で数枚撮影したが、1枚だけそれなりに写っていた。落雷を下に見たのは、後にも先にもこのときだけだ。雷鳴は数十分続いていた。

 次の日の朝、小屋の外に出てみると、夕べの出来事がうそのように、雲海ときれいな朝焼けが静かに広がっていた。

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