初積雪とカラマツときのこの丘

　2023年の初積雪。最初にドカンと降ったのは前日の11月11日だったのだけれど、遅ればせながら翌日に美瑛町と上富良野町を巡ってみる。この日は朝のうちは晴れていたのに、ぐるぐるし始めたころにはあいにくの曇り空。ありゃま～な気持ちで車を走らせていると、こんな面白い光景に偶然に遭遇。白いきのこの大群落のような…。丘のまち びえいだけに、「きのこの山」ならぬ「きのこの丘」なんてね～。ちなみに、拡大してみるとこんな感じ。松の苗木の上にぽこぽこと降り積もった、雪の綿帽子。なんともかわいい。

　厚い雲の切れ間から時折、日が差し込む。照らし出されたカラマツが、白と黒、鉛色のキャンバスの上で黄金色に浮かび上がる。光が描き出す、ほんの一瞬の芸術作品だ。

　鉛色の空の下、緑の上に立つ一本のカラマツ。葉は既に半分以上落ちてしまっているけれど、落ちきる最後の一瞬まで輝きを失わないぞ…と言っているようで、太陽の光を浴びたそのたたずまいがなんとも凛々しい。

　空は相も変わらず気まぐれに、雲を動かして太陽の光を操っている。ずんずんと流れている雲の合間から差す光。その光が織り成す一瞬に、僕はいつも心を揺さぶられる。