沖縄の平和通り界隈が好きなんです
2023年3月19日、沖縄県那覇市にある第一牧志公設市場が新築オープンしたというのを今日知った。20年ほど前に撮った写真でブログを書こうと思って調べていたら、そんな記事に出会った。このあたりは国際通りから枝分かれするように平和通りや市場本通りなどのアーケード街が伸びていて、アーケードのない路地にもさまざまなお店が露店のような趣で軒を連ね、僕の大好きな空間が広がっている。
総菜屋さんやお土産屋さん、カラフルなアロハシャツやムームー、アメリカチックなTシャツを売るお店があったかと思えば、婦人服や下着、お茶や薬を売る店、八百屋、定食屋、履き物屋、お菓子屋、鰹節などを売る乾物屋、とにかくいろんな雑多なお店があって、アジアっぽさ満載で歩いているだけで楽しい。もともと、第2次世界大戦後に闇市が広がっていったことがことの始まりというのもうなずける。
今回建て替えられた第一牧志公設市場の1階にはには魚屋さんやお肉屋さん、八百屋さんなど地元の食材がずらりと並ぶほか、2階には食堂街があって、僕の大好きな沖縄そばをはじめ、1階で買った魚を持ち込むとさばいて刺身にしてくれるなど、まさに庶民の台所といった風情だ。僕が沖縄に住み始めた35年前でも、結構年季の入った建物だったので建て替えは必然なのだろうけれど、あのなんともいえない雰囲気が大好きだった。
このときは、たしか沖縄水産高校が甲子園で勝った時だった。試合終了とともに、お店で中継を見ておばさんがカチャーシーを踊り始めた。老いも若きも、市場のあちらこちらから歓喜の声が上がっていた。かつて、甲子園の砂を持ち帰ることすら許されなかった沖縄。これまでの歴史の中に、さまざまな感情が渦巻いている。でも、というかだからこそ、試合に勝って思わずカチャーシーを踊ってしまう、そんなウチナーンチュの心に僕は惹かれる。
下の2枚は2007年に家族で訪れた時に撮ったもの。僕が住んでいた30年くらい前にはこんな光景は見たことがなかったので、恥ずかしながら楽しくなって、ブタちゃんの頭と足の前で家族で記念撮影してしまった(昔のデジカメなので画素数がイマイチのため、トリミングしたら画像がかなり荒くなってしまいました…)。
こんなファンキーなブタちゃんも。
新しくなった牧志の公設市場はどんな感じなのか、次に行くのがとっても楽しみな半面、雑多で、どこか混沌としていて、けだるくて、でも生きていく力がみなぎっていて、なんだか心沸き立つような、あのなんともいえない感じがなくなっていなければいいなぁなんて思ってしまった。でもきっと、実際に行ってみると「やっぱり、いいなぁ」って思ってしまうんだろうなぁ。次に行けるのは、いつになるのか…。
(撮影地:沖縄県那覇市)
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